ウォーターズ社 DESI™ XS の製品開発

Posted in OEM and custom solutions

Jan 10th 2024

プライアー・サイエンティフィックは、お客様が最先端の観察環境を実現できるような顕微鏡観察自動化機器を開発・製造しています。これまで多くのOEM事業やスタートアップ企業の製品開発に参画してきました。顕微鏡分野に限らず、弊社の技術がお役に立つ全てのお客様にご提案しております。今回はその一例をご紹介します。

ウォーターズ社との製品開発協力

ウォーターズ社は、クロマトグラフィー、質量分析、及び熱分析の分野を牽引する世界的企業です。新薬の開発、生産工程で使用される化学物質の真正性、飲料水の安全性の確認など、同社の製品は幅広い用途で使用されています。
市場から多くの支持を集めている質量分析装置「DESI」の再設計が決定した時、同社では「より信頼性が高く、高速なイメージングシステムをお客様へ提供すること」が重要項目として設定されました。高品質でありながら、セットアップとメンテナンスが容易で堅牢さを兼ね備えたシステムです。既存技術は開発部門による改良が進む中で、課題となったのが位置決め機能。新たに生み出す製品では、極めて正確かつ高精度な位置決め機能が必要とされ、重要な要素でもあったそうです。そこで、ウォーターズ社はプライアー・サイエンティフィックへ協力を依頼することを決めたと言います。

より良い製品をつくり出すために

FIGURE 2. DESI™ XS – Partially Sealed Housing

弊社は長きにわたりOEM事業に取り組み、お客様の製品開発支援に力を注いできました。弊社に依頼してくださったお客様が抱えている課題を理解することが、まず何よりも大切であると考えます。今回のプロジェクトでもウォーターズ社と密に意見交換を行い、市場のニーズを深く理解し、それを満たせる技術を十分に検討した上で製品の初期仕様を設定しています。その後は試作品を製作し、ご納得いただける製品に仕上がるまでテストを繰り返し行いました。

DESI XSの製品化、そして次のプロジェクトへ

今回のプロジェクトで開発されたDESI XSには、弊社のステッピングモーターステージが採用されました。電動ステージは、さまざまなサンプルホルダーに対応できるよう特別仕様で設計されたものです。安定性を維持し、空気との接触を抑えるために開口部分を一部に限定したカバー形状は、作業者の安全性にも配慮し、デザイン性にも富む外観に仕上がりました。制御用ファームウェア開発に関してもウォーターズ社と打ち合わせを重ね、画像処理ソフトウェアとの通信がスムーズになるよう開発しています。両社の共同開発により生み出された製品「DESI XS」は、シンプルで信頼性の高い質量分析装置として、高評価を得ています。
DESI XSの開発完遂を受け、次のプロジェクトとして、大量のサンプル撮像に対応できる自動化装置の開発が進められています。

 

FIGURE 3. DESI™ XS – Bran Scans

 

 本記事PDF版のダウンロードはこちらです。