ProScanH117電動ステージ導入事例――超空間分光法と超高速顕微鏡観察での長時間の安定動作
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Oct 24th 2023
ドレスデン工科大学 応用物理学研究所は、光に関する革新的な物理学研究で知られています。主要な研究分野は、光と物質の相互作用、光とエネルギーの関係、光の分析によるナノ素材の新しい分類の特性についてです。
Alexey Chernikov教授は、超短パルスレーザー使って二次元材料や化合物を研究するチームを率いています。同研究チームでは、線形および非線形分光法から時間分解顕微鏡といった多くの光学技術を使い、研究が進められています。目標としているのは、ナノサイズでの発光体の操作と制御についての基本的理解と応用方法を開発することです。
実験は、周囲温度だけでなく高真空や極低温(-268℃)を含む極端な環境まで、さまざまな条件を整えた環境下で行われます。光学系実験の対象領域は一般的に非常に小さく、1um程度かそれ以下です。複雑なサンプル構造のエネルギー地形を研究するためには、正確な位置決め精度が必要とされ、さらには、特定の座標位置にとどまり続けることができる高い安定性も求められます。
高い安定性と正確な動作、この2つが求められる実験を確実に進めていくには、相応の性能を備えたステージが必要です。顕微鏡クライオスタットの重量に耐え、精度と性能を発揮できるものでなければなりません。これらを満たす製品として、プライアー製のH117電動ステージが採用されています。
Chernikov教授は次のように話します。
「H117電動ステージを倒立顕微鏡とクライオスタットシステムに組み合わせて使っています。私たちが電動ステージに求めるものは正確な位置決めと高荷重対応、そして、あらゆる横力にも耐えうる高い安定性です。プライアーのH117電動ステージは、完璧にこれらの要件を満たしています。荷重時であっても難なく正確かつ高速で動作します。これらの性能に加えて、14時間以上の長時間にわたり特定の位置に静止し続けることもできます。」
正確な測定が必要となる実験にH117電動ステージを使用し、多くの論文を執筆されたChernikov教授。研究の詳細は、下記リンク先をご覧ください。
Dielectric disorder in two-dimensional materials | Nature Nanotechnology
プライアー製H117電動ステージはこちら